“素材には、社会を変える力がある。”という力強いキャッチフレーズを掲げ、人々の暮らしから産業に至るまで、素材を通して新しい価値の創出を続けられている、日本を代表する総合素材メーカー東レ株式会社様。同社は、1926年に「東洋レーヨン」として設立されて以降、合成繊維や合成樹脂などの化学製品や情報関連素材を取り扱い、国内の繊維業界を牽引されてきました。今回お話してくださったのは、テキスタイル・機能資材開発センター第2開発室の室長であられる稲田さん。弊社との取引について伺いました。

東レ株式会社様
テキスタイル・機能資材開発センター第2開発室
室長　稲田 康二郎さん

ー御社（または事業部）について教えてください

テキスタイル・機能資材開発センターは、衣料用や産業用のテキスタイル素材開発を行っています。テキスタイルの工程としては、紡績や糸加工、製織、編成、染色・機能加工などがありますが、開発した新しい糸を使って、その糸にどのような機能を加えられるか。あるいはその糸から出来上がった生地に、どのような加工をするのか。といった技術開発などがあります。東レには、ポリエステル、ナイロンのほか、フッ素繊維やPPSなど機能原糸がいくつもありますが、それらを様々な用途に合わせて素材開発を行うのが弊所の主な役割です。
よく知られているものとして、東レが開発した「ナノデザイン」という合成繊維の製造方法があるのですが、その製造方法を使い「ナノスリットナイロン」や「キナリ」など、新しい素材も開発してきました。私の所属する第2開発室は、第1開発室が紡績、製織や染色、機能加工などの要素技術を深掘りしていく業務を主に行うのに比べ守備範囲が広く、先ほどのような新しい原糸を使った素材開発ほか、素材の快適性能を測るための実証実験まで行っています。

ー井上リボンにはどのようなことを依頼されていますか？

ご存知の通り、弊社は開発した特殊な素材を多く取り扱っています。ですから、まずはそのような特殊な素材を扱っていただけることが欠かせません。具体的な案件や取り扱っている素材の詳細は、機密上どうしてもお話できない部分が多いのですが、取り扱いの難しい素材を使用した開発でかつ細幅でやりたいというときには、特殊な機械をお持ちであり、対応力のある井上リボンさんにお願いしています。

ー実際にお取引されてよかったことを教えてください。

今回このお客様の声としてお話できるように、御社と取引を行った部署の担当者に何人か事前にヒアリングしました。そこで挙がってきたのは、とにかく後戻りのない開発ができることです。迅速な対応力があり、的確なフィードバックをいただけるおかげで、開発がスムーズに進んでいくことは弊社としても嬉しいです。工業材料などは特に試作が多いのが普通ですが、少量加工や工数のかかる作業にも惜しみなく対応いただいています。

ー井上リボン工業に今後どんなことを期待されていますか？

改善や要望に関しても先ほどと同様にヒアリングしたのですが、全くありませんでした。取引において、御社の対応はもちろん品質においても満足しています。
これは非常に重要なことですが、弊社の取引は、性質上機密性の高いものばかりです。そのため、お互いの信頼関係が大切ですし、開発の事情も理解していただいた上で対応していただかなくてはなりません。その意味でも、井上リボンさんには非常に丁寧に対応していただいていますし、信頼してお任せできます。
弊社としては、今後も様々な特殊原糸を使用した開発を進めていくことになりますが、スムーズな開発のためにも、ぜひ協力していただけたらと思いますし、頼りにしています。これまで御社の協力を頂きながら進めた開発案件の中には、社会の役に立つことが期待される製品も多くあります。今後も、社会の役に立てるものを一緒に作っていきたいと考えています。